仕事中や勉強中、YouTube の BGM ではちょっと物足りない、
かと言って初めてのドラマではガッツリと見てしまう。
そんな時、端蔵は何度も見て内容を知っているドラマを BGM 代わりに流しています。
今回のおすすめは「3年B組金八先生」です。
第1シリーズ~第8シリーズまであるので1965年生まれ~2000年生まれの方はとても懐かしく思えるドラマだと思います。
1979年から2011年までの長きにわたり放映された TBS の人気学園ドラマ。
オイルショック後の高度経済成長真っ只中から、インターネットの普及が進んだ2000年度前半までの世相がわかりやすく反映され、時代考証としても多分に参考になり、その時代を過ごした人にとってはとても懐かしく映るドラマでしょう。
中学校の教員である坂本金八が、自身の担任である三年B組に起こる様々な問題を生徒と同じ目線で泥臭く解決して行くという、各時代の若者から高い支持を得た作品です。
3年B組金八先生 第1シリーズ
- 全23話(1979年10月26日~1980年03月28日)
- 主題歌:海援隊「贈る言葉」
- 中学生の妊娠と出産
- 激化する受験戦争
- 落ちこぼれ
- 高校受験
- 自殺
- 変形学生服というものが流行り男子は長ランやボンタン、女子は足首までの長いスカートが流行っていました。
- 家庭ではぐるぐるとダイヤルを回す黒電話が主流でした。
- 街のそこら中にタバコ屋があり、小さなガラス窓からお年寄りがタバコを売っていました。
- 駄菓子屋では子供たちが集まり、着色料に染まった10円20円のお菓子を食べていました。
- 街中小さな個人商店だらけで今では考えられない様なお店もあり、それさえも商売として成り立っていました。
画像は妊娠中の浅井雪乃。
後のシリーズでも母親役として何度か登場する。中学生の妊娠・出産という、当時としてはセンセーショナルな内容が4話にわたって放映された。第1シリーズではこのテーマが一番注目を集めた。
画像は岡村和夫、後のシリーズでは検事となり登場する。
いつの時代も受験勉強と進学塾は子供達の周りに存在した。この時代は机も椅子も全て木製。金八先生のドラマ内では私立最難関校として開栄高校という名前が出てくるが、西日暮里の開成高校がモデルになっていると思われる。桜中学では毎年1クラスあたり1人か2人開栄高校に合格しているが、現実世界ではなかなか出せない様な驚異的な実績。
画像は梶浦裕二。
番台とは男湯と女湯の間の台に座って訪れるお客さんからお金をもらう場所。親の代わりに番台に座った梶浦裕二が女湯を見て興奮する場面があるのは規制も何もない当時ならではの描写。
画像は生徒の後を付ける坂本金八。
街中のいたるところにこのような看板が置いてあり、現代では考えられないことだが当時はこの程度はどこにでもある風景だった。微笑ましいというか、のんびりした時代だったという事が見て取れる。
画像は自殺した浅井雪乃の兄の部屋。
当時の国公立大学は2回もしくはそれ以上試験を受ける必要があり、その1回目のテストは全国共通で実施される「大学共通第1次学力試験」通称「共通一次」で、難易度は高くないが範囲が広くかなりの高得点を取らなければ意味のないものだった。受験生の部屋にはもれなく自分を鼓舞するための激励文句を書き殴った紙が大量に貼り付けられていた。
画像は実家が商売をしている中尾友行。
この時代には家で商売をしているところがまだ沢山あった。コンビニは少しずつ増えてはいるもののまだ24時間体制にはなっておらず、大型ショッピングモールも幅を利かせてはいなかった。街には八百屋・魚屋・果物屋・乾物屋・米屋・肉屋・etc… とにかく小さな商店が所狭しと軒を連ねていた。
画像は三年 B 組の卒業式。
卒業式の風景はいつ見ても心に来るものがあります。この当時はまだ仰げば尊しが歌われていた典型的な昭和の風景。生徒数が多かったので、父兄も参加する卒業式では体育館に溢れんばかりの人が集まった。
一見して街のたたずまいが古いと感じる第一シリーズは、今の子供達から見ると遠い遠い昔の話の様に映るのでしょう。
小さな商店街や町工場の人たちは活気に満ち溢れ、街全体が若く生き生きとしています。
金持ちの家、貧乏な家、勉強のできる子できない子、様々な境遇の生徒が入り混じりつつ、皆明るい自分の未来を思い描ける時代でした。
主題歌の「贈る言葉」はこれ以降当分の間、卒業式の定番の歌となりました。
3年B組金八先生 第2シリーズ
- 全25話(1980年10月03日~1981年03月27日)
- 主題歌:海援隊「人として」
- 校内暴力
- いじめ
- 少年非行
- 受験戦争
- この時代も変形学生服は相変わらずの人気でした。
- 街中にはそこら中に公衆電話があり、列車事故や台風の時には公衆電話には長い列が出来ていました。
- 子供達は悪さをすれば先生からビンタをされるのは当たり前、する側もされる側も全く違和感を持っていませんでした。
- 毎週金曜土曜の夜となると暴走族がけたたましい音を鳴らしていました。
- 最先端を表現する言葉として「ナウい」が流行っていました。
画像は饅頭を食べろと強要される梶井大吾。
九州に行っていた金八先生が帰ってきた際に、持ってきたお土産の饅頭が不人気で梶尾大吾が人のぶんまで食べさせられることになった。同級生に囲まれ囃し立てられる様は現代で言うところのいじめだが、当人たちは軽い気持ちでからかっている程度の認識だった。饅頭を7個食わされて腹を壊したと泣く当人だが、7個程度は中学生ぐらいなら誰でも食べられるだろうと思いきや、今と違って饅頭一個の大きさはかなりのものだったのだろう。
画像は塚辺洋の自宅兼工場で町工場の典型的な風景。
土間が広がり工作機械が置いてある様は当時の下町でよく見かけた。 卒業した先輩がバイクで怪我をし、野球部の3年生がカンパを求められ、その下級生達もカンパを強要された。カンパは予定通り集まったが、お金が驚くほど簡単に集まることに味をしめた塚辺洋とその同級生は再びカンパを強制し、それを自分たちのお小遣いとしてしまった。事が大きくなり金八が塚辺洋の自宅を訪れ、頑固おやじ風体の父親と事実確認をする。
「先生、こいつをかばってくれる気持ちはありがてぇんだがねぇ、先生がこいつをかばってやれるのはたったの3年間だよ。俺たちは親子だからね、嫌でもこいつと一生付き合って行かなきゃならねえんだよ。そんな訳ですから、私たちのやり方でやらして下さい。」
グーで思い切り殴られ反省している塚辺洋にいいお父さんじゃないかと声をかける金八、昭和の父親の大きさを垣間見れるワンシーン。
画像は足を引っ掛けられた加藤優と素知らぬ顔をする松浦悟。
荒谷二中から追い出されるように転校してきた加藤優と、教室で挨拶後に席に着こうとした加藤勝の足を引っ掛け転倒させた松浦悟。大喧嘩となり意地の張り合いはしばらく続くが、この後お互いを助け合う間柄となる。
画像は暴走族「魑魅怒呂(ちみどろ)」の溜まり場であるスナックZ。
加藤優やその先輩の岸森や神津と話し合うため、暴走族の溜まり場であるスナックZに行く金八。
「教育を受けさせる義務は小学校から中学校まで親・国・自治体にある。加藤優、お前には教育を受ける権利がある、お前は教育を受ける権利者なんだ。」
熱く語る金八にほだされる加藤優。岸森と神津は金八に加藤優を預けることに決めた。 教育を受ける権利があるという言葉はドラマの後の展開にも大きく影響している。スナック Z の薄暗い店内が不良のたまり場的雰囲気をよく醸し出している。
画像は学習発表会演目「雪女」を無事終えた3 B 男子3人の挨拶。
3 B の演目は「雪女」。紆余曲折ありながらも学習発表会自体はつつがなく終えることができたものの、問題は演目終了後の男子生徒3人の挨拶。戦時の特攻隊の衣装に身をまといステージ上で敬礼をしつつ、
「期末テストを控え明日から我々は受験に向かって一直線。後はただ突撃あるのみ、行くぞ!」
敏感に反応したのは君塚校長。当時24歳の兄が太平洋戦争の末期に学徒出陣で沖縄の上空で戦死したことを生徒たちに話し、特攻服やハチマキを何も知らずにかっこいいなどと思わないで欲しいと涙ながらに訴える。クラスに戻り金八は生徒たちを窘めつつ、十分に反省していることが分かったのでそれで良しとする。これの放映されたのは1980年、まだ戦争を記憶に強く止める人も多く君塚校長と同様に苦々しく思う年代の人も多かったと思われる。
画像は池内商店のこたつ前。
第一話で池内商店に下宿することとなった金八はアマゾネス(天路先生)と結婚するまでここにお世話になることになる。池内先生の実家であり田沢先生も住んでいた。こたつ前の風景はドラマ内で頻繁に使われ、特に受験前夜に生徒から電話がかかってくる場面では夜通しこたつの中に潜り込んで生徒たちの電話へ対応をしていた。
画像は荒谷二中で手錠をかけられる加藤優。
教職員との交渉を終えて放送室から出てきたところを通報を受け駆けつけた警察に取り押さえられるまでをスローモーションの映像と中島みゆきの「世情」をフルコーラスで流した演出で仕上げられている。この放送回の演出は後のシリーズでも数度使用される程視聴者の心を釘付けにしたようだ。
<加藤優役>直江喜一さんのその後のインタビューでは、当時通学途中で「おまえ加藤優だよな、勝負しろ」と絡まれたこともあったそうで、このドラマの影響がいかに大きかったかが分かります。([あれから]<8>「腐ったミカン」3年B組・加藤の40年…1980年10月)
非行、校内暴力、受験戦争など心を病む子供たちが取り上げられた第二シリーズ。
本シリーズは放送序盤から高視聴率を叩き出し、世の中のこのドラマへの関心の高さが伺えるのもでした。子供たちは現在の様な表面上の良い子を演じることはなく、感情をそのままさらけ出していました。
古さを感じる映像ですが昭和の温かいところが各所に盛り込まれ、見応えのあるシリーズです。端蔵も金八先生の中ではこの第2シリーズが一番印象に残っています。
3年B組金八先生 第3シリーズ
- 全12話(1988年10月10日~1988年12月26日)
- 主題歌:海援隊「声援」
- 生徒の無気力、教師の権力、いじめ、不登校、保健室登校
- 家庭不和 – リストラ、新人教員の教育、成績不振
- 食と健康、学校給食
- バブルがはじける直前、皆がお金持ちになったような錯覚に陥っていました。
- 人々は物欲の塊で、新しい商品やサービスがどんどん生まれていました。
- コンビニは既に街中に多く出現し、飲食のスタイルも多岐にわたりました。
- 昔ながらの長屋的風景は数を減らし、街はだんだんと綺麗になっていきました。
画像は松ヶ崎中学の職員室の教職員。
桜中学ではないので教職員の顔ぶれも見慣れない先生ばかりで、第1シリーズ第2シリーズを見ている視聴者には馴染めない感覚を与えてしまった。今回もアクが強く良い味を出す教職員が揃っている。
画像は生徒宅で詫びる新任教師の真野先生。
給食研究指定校を目指さんとする教頭の方針を生徒に強要し過ぎた真野は、辻村美奈の登校拒否を招いてしまい金八に付き添われ辻村美奈宅に詫びに向かった。二度と一気食いはさせないと行き過ぎた指導を謝罪しつつも金八との帰路ではこの方法で本当に良かったのかと金八に疑問をぶつけている。
「学級経営がうまくいっているクラスには必ず工夫があり、その企業秘密を盗む、それが教師の学習。」
そう諭された真野は納得し力強く頷いた。
画像は暖かく幸福感に溢れている坂本家。
アマゾネス(天路先生)と結婚した金八は池内商店の下宿からアパートへと移り住むこととなる。長女の乙女と長男の幸作はまだ幼いが、やがて二人とも桜中学に入学することとなる。天路はこの第3シリーズを最後に乳がんで死亡することとなり、以降は全てのシリーズで遺影での出演となる。
画像は山田裕子の自宅。
山田裕子と父の太吉は小さなアパートに二人暮らしをしている。母親は太吉と上手くいかず出ていき、飲んだくれで博打にのめり込む父の面倒を山田裕子一人で見ている。体を悪くして仕事の見つからない父に代わって居酒屋でアルバイトをしながら太吉の身の回りの世話をしていた。山田優子と太一のことが心配な金八は足繁くアパートへ通い、そんな金八を太一は親友と言った。長年の不養生で体を悪くしていた太吉の病は進んでおり間も無く帰らぬ人となった。クラスの友人とその父兄に手伝ってもらった通夜の席で太吉の遺影に金八が呟いた。
「お父さんとは一度ゆっくり飲みたかったですなぁ、競馬も晴れた日に行きたかったですなぁ、お父さん。」
画像は三者面談の時期、金八と真野、高峰英和とその母親。
師走になるとどのシリーズでも三者面談の場面が現れるようになり、子供の意思はと関係なく目を血走らせながら希望の高校について熱く金八に訴える母親の姿が目立つようになる。
鷲尾真知子は今回のみならず、いくつものシリーズで香ばしい母親役を演じドラマの盛り上げ役に一役買っている。
画像は真野に教師のあり方を説く金八。
和幸の嘘により勘違いした保護者から悪者にされた真野は生徒に裏切られたと言って教師をやって行く自信がなくなったと金八に訴えた。自分の気持ちが分かってもらえなくて残念ですと沈み込む真野に、何を言っているんだこの青二才が!、と喝を入れた。
「教師がやる仕事というのは、明日明後日に結果が出る商売ではないんだよ!
10年後、20年後、中学校を卒業した教え子が夜道を歩きながら、先生があの時言っていた事はこういう事だったのかと分かった時に初めて我々の授業は終わるんですよ!
その時に初めて終了のチャイムが鳴るんですよ!」
金八の教師としての信念が吐き出される重みのあるシーンであった。
このシリーズが放映された1988年当時、金八は生徒のいなくなった教室で真野先生と共にタバコをプカプカとふかしています。まだ喫煙に対して世間の目は厳しくなかったということが分かります。
このシリーズだけ他に比べ放送回数が12回と少ないものでした。また、舞台が桜中学ではなく松ヶ崎中学になっています。
指導的立場になった金八が新任教師を指導しながら学級運営を行うという立ち位置となっていますが、新任教師の真野先生役に人気がうなぎ登りであった石黒賢を起用したのは若年層の視聴者へのアピールのように勘ぐってしまいます。
3年B組金八先生 第4シリーズ
- 全23話(1995年10月12日~1996年03月28日)
- 主題歌:海援隊「スタートライン」
- いじめ
- 経済停滞期
- 離婚問題
- 発達障害
- 白血病と骨髄バンク
- 体罰
- 周りに合わせる生徒
- コギャルという言葉が流行り、独自性の強いメイクも見かけるようになりました。
- Windows 95が発売され、インターネットという言葉が注目されるようになりました。
- 子供達はみな小ぎれいな格好をする様になり、一見した貧困が分からなくなりました。
- エアコン設備のある学校が徐々に増えていきました。
画像は第1シリーズの宮沢保と浅井雪乃の子供である歩と、同級生で不登校中のつぐみ。
歩は両親が15歳で自分を産んだことをクラスの仲間が好奇の目で見ていると感じ、その話題になると萎縮気味になってしまっていた。つぐみは2年生の時の担任に「そこのブス」「きたねえツラして学校へ来るな」などと罵られ顔を殴られて以来不登校となった。2年生の時から仲の良かった二人はつぐみが不登校になってからも連絡を取り合っていた。
画像は金八と大きくなった二人の子供達がいる茶の間。
アマゾネス(天路先生)は乳がんで他界し、長女の乙女は桜中学の2年生、長男の幸作小学5年生となった。乙女はだんだんと天路に似てきたとこぼす金八も第1シリーズよりもシワの数がだいぶ増え髪も短くなっている。
画像は心の病気についての特別授業。
神経症にかかった樫木真穂は無意識のまま手首をカッターで切りつけ、突然の出来事にB組はパニック状態に陥る。金八は過剰に反応する生徒たちを諭すべく、養護教諭の本田の力を借り「心の病気」というタイトルで神経症についての授業を行う。教室の後ろには教頭を始め3年担任の教師数名も参加した。
画像は坂本家のアパートの玄関。
乙女に惚れ込んだ修一が実家の中華そば屋まんぷく亭の餃子ともやしラーメンを配達先がなくなったので食べてほしいと持ち込む。この他にも修一はどうにかして乙女に近づこうとするが、ちょっかいを出せる様な図太いところも無くいつも地団駄を踏んでいる。修一はこのシリーズ以降も後を継いだまんぷく亭店主として登場し乙女に想いを寄せている。
画像はどのシリーズでもよく見かける受験前の面接の練習。
真剣に面接官の質問に答えようとするも、生徒たちの受け答えはいつも的外れなものばかりで3Bらしい笑いを誘う一場面。
画像はホテルに泊まり混んで小学校受験の準備をする迫田八重子(第2シリーズ) とその娘。
お受験に入れ込んでいる八重子の元に金八とかつてのクラスメイトの加藤優が心配して訪れる。学区の公立小学校は全く熱意が感じられないので何としても私立に娘を入れたいと熱く語る八重子。当時の小中学校の受験者数は下降傾向にあるものの早期受験の優位性を知っている一部の親にとってはお受験は絶対であった。
画像は行方知れずになった生徒達を探す金八と大森巡査。
全シリーズに渡り金八や桜中学の生徒たちとの交流が描かれる大森巡査。一見すると金八といつも口喧嘩をして仲の悪いように見えるが、金八と桜中学の生徒のピンチの時には愛用の自転車と共にぴったりのタイミングで登場し手助けをしてくれる。そして終盤シリーズになる程二人の会話はしみじみとしたものに変わってゆく。
前回から7年ぶりに放映された本シリーズでは、いじめ、発達障害、離婚問題、体罰、周囲に合わせた行動などの教育現場での課題が取り上げられました。
第1シリーズの生徒の子供が生徒役として出演するなど、ずっと見続けている視聴者にとっては懐かしく感じる場面が随所にありました。
数学の乾先生は序盤シリーズに比べ辛口発言は少なくなったものの、まだ生徒との距離は大分ある様です。
画面の中の世界はまだアナログチックな印象を受けます。
3年B組金八先生 第5シリーズ
- 全23話(1999年10月14日~2000年03月30日)
- 主題歌:海援隊「新しい人へ」
- 学級崩壊
- 校内暴力
- 体罰
- 家庭不和
- 不登校
- いじめ
- 高齢化社会
- 発達障害(多動性障害)
- フリースクール
- いのち
- インターネットを使ったシーンが登場します。
- 携帯電を持った子供もちらほら出始めました。
- 高齢者問題が騒がれるようになりました。
- 若者が集まる街ではガングロと呼ばれるメイクをした少女達が出現しました。
画像は1話目の冒頭からのシーン、目が釘付けになる様ないきなりの校内暴力。
中野先生の横暴な授業方針にクラス中の生徒は反感を持ち、ついには些細なきっかけから校内暴力へと発展する。救急車で運ばれた中野先生は、靴が脱げ滑って転んだ弾みに机にぶつけただけだと本当のことを話さなかった。さらに追い打ちを掛ける様に自宅療養中の中野先生の元へ見舞いと称し葬式花である菊の花が届けられた。この事件がもとで中野先生は心を病み学校に出られなくなった。翌日、中野先生に代わって3Bを受け持つこととなった金八は生徒たちをたしなめ、人間と人間の勝負だと言い担任としての決意表明をした。
画像は桜中学内に併設されたデイサービスセンター。
今回は学校の施設内にデイサービスセンターが置かれることとなり、お年寄りとの交流が始まった。当初、生徒たちはお年寄りを煙たがる素振りを見せていたが、触れ合う時間が長くなるとともに高齢者を理解していった。特にデラと力也は授業よりもデイサービスセンターの手伝いの方が楽しいと言った。卒業式の直後にお年寄り達からソーラン節で着る半被をプレゼントされ、以降のシリーズでも着られるようになる。
画像はとっさに隠した有里子のブラジャーを健二郎に見られてしまった篤。
水泳の着替えで遅れを取った篤は急いで教室を出ようとした際に、机の上にあった有里子のブラジャーを落としてしまった。元に戻そうとしたところに忘れ物を取りに戻った健二郎が入ってきた。篤はうまく言い訳が出来ず、弱みを握った健二郎は後々まで篤を利用した。
画像は相談のために金八宅を訪れたはずがなし崩し的に食事をご馳走になることになった遠藤。
乙女は大学生となり、幸作は桜中学の3年生となった。 この日、初めて金八の娘である乙女を見た遠藤は一目惚れをして、後のシリーズでも乙女に好意を寄せるが乙女の方はその気が全くない。前回のシリーズではアパートに家族3人暮らしであったが、本シリーズより一軒家での生活になる。
画像は荒川の土手を歩く金八と大森。
昔からの悪友の如く気心の知れた会話を交わす二人。大森巡査の津軽弁訛りは温かみがあり魅力的。
画像は兼末健二郎と、母・麻美、兄・雄一郎。
兄の雄一郎は優秀で開栄から東大に入ったものの、対人関係をうまく構築することができずに引き籠りとなってしまい、世間体を気にする両親はアメリカへ留学していると近所に嘘をつく。健二郎の母は、夜になると街を徘徊する雄一郎にばかり気を取られ、健二郎の開栄入学手続きを忘れてしまう。病院の勧めで一人暮らしを決心した雄一郎だが母・麻美も一緒に住むと譲らない 。逆上した母・麻美が握りしめたナイフを取り上げようとした健次郎は誤って母を刺してしまった。「僕がやりました」 と書き置きを残した雄一郎の後を追って健次郎は荒川の水門設備の建物へ向かった。
画像は荒川の土手でソーラン節を踊る3B。
デイサービスセンターのお年寄りからプレゼントしてもらった法被を着て思う存分踊るソーラン節は、後のシリーズでもクラスの結束を固めるために使われています。
他のシリーズは毎回主役が入れ替わっている印象ですが、今回のシリーズは最初から最後まで兼末健次郎(風間俊介)が輝いていました。放映から長い年月が過ぎても風間俊介ではなく兼末健次郎として見てしまいます。
本シリーズは3年生を担当する先生方の顔ぶれがとても安定していて魅力的な組み合わせに感じられます。
3年B組金八先生 第6シリーズ
- 全23話(2001年10月11日~2002年03月28日)
- 主題歌:海援隊「まっすぐの唄」
- 性同一性障害
- 性的指向
- 報道と人権
- 殺人事件
- 悪性リンパ腫
- 家庭内暴力
- 出会い系サイト
- ガラケーを持つ子供が増えました。
- 一般家庭でのインターネット普及率は更に高まり、シリーズ内でも電子メールを利用する場面が多くみられる様になりました。
画本シリーズでの主軸となる二人の転校生、成迫政則と鶴本直。
成迫政則の父親はかつて他校で中学校の教師をしていたが現在は服役している。娘が乱暴され殺害された真相を知るため、自分の教え子を問いただす最中に教え子の持っていた刃物で誤って教え子を刺し殺してしまった。
鶴本直は性同一性障害を抱え、周りから女性として扱われることに違和感を感じている。可能な年齢に成り次第性別適合手術を受けたいと考えている。
画像は無菌室の金八と幸作。
幸作は自分の病名をはっきりと言わない金八と周りに苛立ちを覚えていた。いつまでも隠し通せるものではないと考えた金八は血液の癌である悪性リンパ腫であることを打ち明ける。ここから幸作の長い闘病生活が始まる。
画像は文化祭出し物でソーラン節を踊る3B。
紆余曲折を経て出し物がソーラン節と決まり、伝統の法被を着てステージ中を所狭しと舞い踊る様は3Bの定番となった。
画像は登校する鶴本直と江藤直美。
直美は自分の意見をはっきりと口に出す直を尊敬し憧れを抱く。直に付き纏う直美は同級生からレズではないかとあらぬ噂を立てられショックのあまり早退してしまう。直美のいないクラスで金八が愛とは何か、形と表現は多様だと授業を行う。
画像は婚約報告のために金八宅を訪れた佐藤賢治と中里ミチル、そして同級生。
中里ミチルは急性リンパ性白血病であったが17回の治療入院を乗り越え退院し大学に入った。賢治から、実は今回の同窓生の集まりは骨髄バンク登録の決議のためだった打ち明けられ、「二十歳になったら出来る事として骨髄バンクに登録してほしい。」という自分の授業を覚えていてくれたのだと分かり、金八は目頭が熱くなった。
画像は乾先生とデイサービスセンターに勤めていた小椋の長男が生まれた瞬間。
小椋は自宅出産を希望し、まだ幼い長女の知美と乙女もその場に立ち会った。翌日、授業で3Bのクラスのドアを開ける乾に生徒たちが一斉に祝福のクラッカーを鳴らしおめでとうと声を掛けた。驚きと嬉しさでしばし動けなくなった乾だが、生徒たちからの問い掛けに「子供を手に取った瞬間はある重みと温かさがあってなんだか涙が溢れてきた。」と静かに語った。
シリーズ当初、乾は感情のない合理主義者というイメージが前面に出ていたが、第5シリーズ以降は柔らかく穏やかな性格に変わり、金八の一番の理解者という立ち位置となった。
画像は直と父。
仕事で家を空けていた父とクリスマスイブに食事をすることとなった。スーツ姿で現れた直は男性になると宣言し、困惑した父は直をダンスに誘った。踊っている最中に父は突如直の胸を鷲掴みにしお前は女の子だと言う。驚いた直は女性らしく甲高い悲鳴を上げてしまうが、とっさに出した自分の声があまりにも女性らい事にショックを受け、フォークを掴み口の中に突き刺してしまう。
画像は合否連絡を受ける3年教師陣。
高校の合格発表を見に行った生徒からの連絡を待つ職員室の先生たちも、次々とかかってくる電話に一喜一憂する。
本シリーズでは教師でありながら殺人を犯してしまった父を持つ成迫政則、性同一性障害を抱え自分のあるべき姿を模索する鶴本直、そして悪性リンパ腫となった金八の長男・幸作が話の多くを占めています。
かつての教え子が婚約の報告や正月の挨拶で金八宅を訪れ元気な顔を見せてくれるのは金八にとってこの上ない幸せのようです。
このシリーズは特に内容が濃かったように思えます。基本的に金八先生シリーズは世相を反映しているのでそれだけ子供の世界でも問題が山積しているということでしょう。
3年B組金八先生 第7シリーズ
- 全22話(2004年10月15日~2005年03月25日)
- 主題歌:海援隊「初恋のいた場所」
- 薬物依存
- 障害者
- 児童虐待
- 民間校長
- 授業妨害
- ゆとり教育
- 言葉の使い方
- 世の中はガラケー真っ盛り、機能が一段と上がりメールが連絡手段の主流となりました。
- 完全学校週5日制のゆとり教育がスタートしました。
- 習い事の選択肢にサッカーが入るようになりました。
- 子供達は PS 2に夢中でした。
画像は母親から体罰を受ける丸山しゅう。
しゅうの母親は決して世間に言うことのできない悩みとストレスを抱え、事あるごとにしゅうに自分の感情をぶつけていた。
画像は金八先生シリーズでは珍しい夏服の制服。
このシリーズは物語が中学2年の3月からスタートしたため、第1回『史上最低の3B!!』において、入学式、夏服での登校や授業風景、体育での水泳や夏休みなど、年度上半期のシーンが挿入されている。(wikipediaより)
物語の出だしは合格発表シーズンで、その後に真夏のひまわりも映し出され明るい雰囲気となっている。
画像は卒業生の広島美香と小学校の養護教諭になった高鳥よし江。
小学校の保護者からアダルトグッズ呼ばわりされたよし江手作りの性教育用人形が取り上げられてしまうのではないかと危惧したよし江から預かって欲しいと頼まれた。本田は快く引き受けるが保健室を訪れた3Bの生徒に見つかってしまい、人形を見た校長は先生たちを職員室に集め「行き過ぎた性教育は慎むようにと注意をしておいたはずだ。」と語気を強めた。
画像はシンナーは吸引している孝太郎と和晃。
和光の家でも二人はシンナーを吸引しているところを和光の母親に見つかる。和光の母親は、息子を良からぬ遊びへと引きずり込もうとする孝太郎とクラスを替える様に願い出るが、和光はたった一人の友達だからやめてくれと言う。一方、小塚崇史の父の経営する会社では覚醒剤を社員が密輸し、崇史の自宅までも捜査されることとなった。
画像は桜中学元校長の君塚と金八と並んで歩く新校長候補の板橋。
君塚が、自分の時代には東京の女性校長は6人しかおらず、後に続く女性管理職のために頑張らなければいけないと夢中だったと当時のことを振り返った。そして、若き日の金八の「我々は機会を作っているのではない。人間を作っているんだ。」 という信念の言葉を今でも忘れていないと金八に語った。板橋に対しては「よく考えた上で(新校長を受けるか否かの)答えを出してほしい。」と遣り甲斐と重責を伝えた。
画像は生徒たちと面接の練習をする金八。
本シリーズの面接の場面は笑いを誘う要素がたくさん盛り込まれ、シリーズ全体で重い話題が多い中、一息つける内容となっている。特に狩野伸太郎(濱田岳)の演技は抜群で将来を期待させるものとなっている。
画像は全てを忘れ去ろうとするが如く覚醒剤を手にするしゅう。
しゅうの母はしゅうの寝たきりの父に覚醒剤を常用していたとして逮捕された。一人取り残されたしゅうの事を気遣い夕食を共にする金八だが、しゅうの食欲のなさや異常に水を飲む行動に違和感を覚えることはなかった。翌日、学校に来たしゅうは玲子から崇史の飛び降りと関係しているのではないかと問い詰められ、「あるよ。」と別人の様に飛び降りる直前の崇史との出来事を話し出す。目を大きく見開き、別人格のように話すしゅうを見ても金八は異変に気付けなかった。
画像は屋台で佇む金八とカンカン。
カンカン:先生とは何年になりますかねぇ。
金八:もう25年ですよ。
・・・
カンカン:思えばこの25年間私の教師生活にはいつも必ずあなたがいました。いや、坂本金八がいたから私の教師生活があったんです。だから私には今あなたが考えてることがよく分かるんです。あなた今、教師を辞めようと思ってるでしょ。お願いです、辞めないでください。生徒の為だけでなく私のためにも教師を辞めないでください。
今回のシリーズで一番重い役は丸山しゅう(八乙女光)ですが、時間が経って改めて全体を見てみると狩野伸太郎(濱田岳)が1番光っていたように見えます。
違法薬物に関するシーンが多く全体的に重く暗い印象のシリーズでした。
自分の心はもはや生徒に届かないと一度は教師を辞める決意をした金八でしたが、たくさんの人の思いを受け辞表は破くと言ったのでした。
3年B組金八先生 第8シリーズ
- 全22話(2007年10月11日~2008年03月20日)
- 主題歌:海援隊「いつか見た青い空」
- モンスターペアレント
- 家庭不和・家庭内暴力
- 少子化
- 学校裏サイト
- ネットカフェ
- 援助交際
- 私服登校
- 周りに合わせる生徒
- 人種差別
- ネット犯罪に巻き込まれる子供たちが急増しました。
- 首都圏では小学生の5人に1人が中学校受験するようになりました。
- リーマン・ショックで経済は大打撃を受けました。
画像は後期授業開始時に開かれた職員会議。
この会議で、鹿島田校長は危機感をあらわにしながら現状について語り始めた。学校希望選択制導入に関するアンケートで、来年度の桜中学の入学希望者が32人であったことを話すと職員は愕然とする。生徒数激減を食い止めるためには抜本的な改革が必要だと鹿島田校長は語気を強め、具体策として偏差値上位校への進学率アップ、部活動の大会での成績アップ、そして覚醒剤事件により悪化したイメージを払拭し、生活指導を徹底させるべく新しい校則を作る必要があると語った。
画像は江藤清花の隣の部屋を借りて話をする金八。
清花がいつもネットカフェで夜を過ごすと聞いた金八が寂しくないのかと問うと、私は親に捨てられたと清花が答えた。中学受験に失敗すると親と口を聞く事も無くなったと続ける。やがて、弟が開栄中学に受かると両親は弟だけを見るようになり、弟の成績が下がると弟に近寄るなと言われ、家に居場所が無く黙って三日間ネットカフェで寝泊まりし、辛くなり家に帰るが清花の無断外泊を気付いてさえもいなかったと語る。
画像は放課後に社会の川口先生から補習を受ける川瀬光也。
中学校を卒業後は就職の予定であった光也だが、金八の熱心な進めで高校進学を目指すこととなり、各教科の先生方に時間を作ってもらい放課後に補講を受けることとなった。
画像は教育実習に来た幸作。
千葉大学の教育学部から英語の担任として教育実習に来ることになった。職員室での各先生への挨拶で、北先生からは見違えるようになった、乾先生からは蛙の子は蛙だと言われ、自分の方がドキドキしてしまうと金八は返していた。
画像は金井亮子と茅ヶ崎紋土。
紋土は英語が読めず、アメリカに住む父からの手紙を英語が得意な亮子に読んでもらおうと教室の外に亮子を呼び出すが、亮子は紋土からラブレターを渡されると勘違いして、「なんで私が黒人なんかと付き合うの?」と自分でも思ってもいない言葉を口にしてしまった。亮子の言葉に小学生時代、肌の色が違うことで虐められた辛い過去を思い出していた。金八は人を区別するゲームを交え、差別は憎しみしか生まないと諭した。本当のことを知った亮子は紋土に謝罪し、手紙の内容を紋土に伝えた。
画像は交際している松井宏樹と田口彩華。
学力の違いから同じ高校へ進むことを両親から反対された二人は、彩華の親の所有する別荘へと家出をするが、時間が経つにつれ二人の感情にズレが生じ、宏樹は自宅へ戻り彩華はそのまま家出を続ける。
画像は北山大将の父を説得する金八。
大将の父親は腕のいい職人だったが、梯子から落ちて足を悪くした後は酒浸りの生活となった。大将の母親は下の子供二人を連れて家を出て行き、長男である大将は父親のもとに残った。金八は大将の家に行き、父親にアルコール依存症を治すため入院を勧めた。酒を断ち仕事をすると金八に約束した父親であったが、アルコール漬けの日々は続き、金八は再び父親の元を訪れ「倅のために酒やめろ!大将があんたのもとに踏みとどまっているのは、あんたをここに一人にはしておけないから頑張ってるんだ!」と声を荒げた。
画像は金八の昔話を聞いてるうちに、うたた寝してしまう美香。
都立高校の願書を父に捨てられた美香はショックのあまり土砂降りの中をさまよい歩き、金八の家にたどり着いた。3年B組の一番後ろの席にやっと自分の居場所を見つけた、アメリカ留学などしたくないと金八に訴えた。美香の父親と話し合うために何度も電話をするが、多忙な父親になかなか電話が繋がらずに夜も更け、美香はうたた寝をしてしまう。仕方なく美香を家に泊めるが、翌日学校に行くと生徒を自宅に泊めた噂が尾ひれがつき広まっていた。
インターネットが一般家庭にも広く普及した時代になり、場面各所にインターネットに関する話題が出て、匿名掲示板でのトラブルなども描かれています。
今回のシリーズでは突出した事件などが起こる事はなく、中学校や家庭で起こりがちなトラブルが題材として多く出てきます。
これが金八先生シリーズの一番最後のものとなります。32年間続くほどの人気を誇ったドラマもこれで終了です。
参考/関連
では、また~